陶磁器の性状と製作技法

 「陶磁器の性状と製作技法」が一応全て掲載となりました。一応というのは、「陶磁器焼成の窯及び材料」の論文の中の「燃料」について、現在と昭和10年当時とでは全く違ってしまっているからです。昭和10年当時の燃料の主流は石炭、発生炉ガス、薪材、重油であり、電気窯がまだ珍しい時代でしたし、なんと現在主流のプロパンガスについては使われていなかったのです。したがって、これを掲載しても歴史的背景としては面白いかもしれませんが、情報としては全く役にたちませんので、工業製品が主体で書かれているヨーロッパの窯とともに省略することとしました。ただし、燃料の一部に
 それでも、総ページ数にすると100ページを越えるだけの資料が作れたのは、みなさまからのご支援、ご指摘があったからです。ここで、あらためてお礼を言わせていただきます。
 なお、「陶磁器の焼成及び窯材料」の図や写真については、かなりの圧縮をさせていただきました。これも、個人的なホームページではそんなに容量が取れないことと、表示時間を出来るだけ短縮するためですので、ご了承下さい。また、一部の写真については、割愛させていただきました。


「陶磁器の性状と製作技法」は、日本の釉薬研究では草分け的な存在の小森忍博士が昭和10年より、雄山閣発行の「陶器講座」において発表したものである。
 この「陶磁器の性状と製作技法」の前書きには、こう記されている。

 陶磁器がどういう素材から出来ているか、どういう風に作られていくか、その工程はどうか、そしてその品種なり、技術発達の経路が世界にどんな風に変わってきたかをきわめて通俗的に、その大略を記述してみる。
1.陶磁器の胎土、胎質
2.陶磁器の釉薬
3.陶磁器の彩料
4.陶磁器焼成の窯及び材料
5.陶磁器製作の工程及び製作技法
 以上5項目に分けて述べることにする。

 残念ながら、「陶磁器製作の工程及び製作技法」については、発表されなかったが、その他の論文については、若干の古さはあるが、現在でも十分に通用する内容となっている。
 論文自体が旧仮名使いになっているために、これを勝手に修正してここで掲載したい。
 なお、特殊な文字を使っているので、一部の機種では表示されない文字があるかもしれないと思う。

1.陶磁器の胎土、胎質
1.陶磁器の胎土、胎質(陶磁器の素地による分類)
2.陶磁器の釉薬(釉薬の起源と沿革)
2.陶磁器の釉薬(釉薬の分類)
2.陶磁器の釉薬(釉薬の「組成」と「焼成」と「性状」の関係)
2.陶磁器の釉薬(軟火度釉)(強火度釉)
2.陶磁器の釉薬(中国強火度単彩釉)
2.陶磁器の釉薬(「白色透明釉」「越州窯系の青白釉」)
2.陶磁器の釉薬(「処州系の青瓷釉」「汝窯、鈞窯、官窯の失透釉」)
2.陶磁器の釉薬(「明清朝の銅紅釉」「南方窯系の鉄釉」)
2.陶磁器の釉薬(「北方系の鉄釉」「天藍釉および瑠璃釉」)
2.陶磁器の釉薬(「特殊釉」)
2.陶磁器の釉薬(「釉の欠点」)
3.陶磁器の彩料(「陶磁器彩料の沿革」)
3.陶磁器の彩料(「陶磁器彩料の性状」)
3.陶磁器の彩料(「釉下彩料(1)」)
3.陶磁器の彩料(「釉下彩料(2)」)
3.陶磁器の彩料(「釉上彩料」)
4.陶磁器焼成と陶窯(「燃焼と焼成」)
4.陶磁器焼成と陶窯(「陶窯の種類と発達1」)
4.陶磁器焼成と陶窯(「陶窯の種類と発達2(中国の陶窯)」)
4.陶磁器焼成と陶窯(「陶窯の種類と発達3(我が国の登窯)」)