にかぞーる ニカゾール
合成した科学糊で、沈澱防止材として釉薬に1%程度入れて使用する。多少匂いがある。
にがり 苦汁
海水を煮つめて製塩した後に残る母液。主成分は塩化マグネシウムで、釉薬の沈澱防止剤として0.3%程度釉薬に入れる。入れすぎると、粘りが出過ぎるのと、マグネシウムの影響が出るので注意が必要である。塩化マグネシウムだけを精製したクリスタン沈澱防止剤もある。
のりたけちっぷ ノリタケチップ
ノリタケが開発した、円柱形をしたチップ状にしたもので、高さ及び溶けた広がり具合で温度を測定するもの。低温用から高温用まで7種類ある。
はいちょうせき 灰長石
石灰を含んだ長石。1550℃で熔ける。
ばいようざい 媒熔材
長石、陶石等の基本原料を融かす原料。塩基ともいう。媒熔原料ともいう。各灰類、石灰石、マグネサイト、タルク、ドロマイト、亜鉛華、炭酸バリウム等が当てはまる。媒熔材が多くなると、やわらかい色合いの格調高いマット釉になるが、釉が流れやすく、温度が少し高いと光沢となったりして不安定である。
はくうんせき 白雲石
ドロマイトのこと。
ばなじうむ バナジウム
酸化バナジンの項。
ばなじんさんあんもん バナジン酸アンモン
バナジウムとアンモニアの化合物。高火度ラスター釉に使用する。
ぱらふぃん パラフィン
メタン系炭化水素の総称。普通は、そのうち高位の常温で固体の化合物の混合物を指す。白色半透明蝋状で、臭気がない。灯油を加えて暖めて融かし、釉薬をかけない部分に筆、刷毛等で塗る。その部分は釉がくっつかなくなる。加熱しすぎると発火の危険性もあるので注意が必要である。
ばりうむ バリウム
炭酸バリウムの項。
はろいさいと ハロイサイト(SiO2 2Al2O3 2OR4H2O)
カオリナイトより風化度が低いカオリンの結晶。棒状またはたまねぎ状の結晶構造をしているので、可塑性は高いが、可塑性を出すためにを多く加える必要があり、その分収縮が大きく、変形や亀裂が出やすい。
ばんど 礬土
アルミナのこと。または広い意味でアルミナを多く含む粘土状の土石もいう。カオリン、蛙目粘土、木節粘土等の粘土類、黄土、鬼板、苦土、重土がこの分類に入る。長石も広い意味ではこの部類に入る。
びすます ビスマス
酸化ビスマスの項。
ひろみいし 広見石
豊田市広見村から産出する珪石分の多い風化長石で、石粉、志野長石とも呼ぶ。志野釉の原料として用いる。
ふつせき 沸石
ゼオライトのこと。
ふのり 布海苔
海産の紅藻。マフノリ・フクロフノリなどの総称。水で煮詰めて煮汁を使用する。釉薬を刷毛塗りする場合や重ねがけをする場合、釉薬に粘りをあたえて更に乾燥時に固まるために釉薬が剥がれにくくなり、厚掛けできるようになる。志野釉に多量加えて焼成すると、布海苔が釉面に多数の泡を生じ、このあとが小穴となって残るのを利用する。釉薬の沈澱防止にも使用するが、腐敗するので注意が必要。
ふらっくす フラックス
媒熔材のこと。また、フリット釉のことをいう場合もある。磁器の上絵付の着色金属を混ぜて使用する。
ふりっと フリット
釉原料に炭酸ソーダ、炭酸カリ、硼砂、硼酸など可溶性のもの(水に溶ける)または鉛丹など重量重い原料を使用する場合、または珪酸分が少なく人体に有害な鉛を多く配合する釉の場合、これらを珪石と一緒に一度熔融してガラス状にした後、砕いて釉原料にしたもの。アルカリ質を水の中に長時間放置すると、ガラスが分解し、カリ及びソーダの珪酸塩が形成され、消えない泡を発生する。
ふりっとゆう フリット釉
フリットを単独または大部分使用した釉薬。特に上絵付の顔料と混ぜるフリットをフラックスという。
ぺぐまたいと ペグマタイト
アプライトに対して、石英、長石を主成分とした岩石で結晶が大く、長石分だけを取り出せるため混じり気の少ない長石として実験資料で使用されてきた。イギリスのコーニッシュストーン、福島長石がこの部類の代表。また、瀬戸の磁器の主原料でもある。
ぺたらいと ペタライト
リチウムを含む低膨張の長石。リチウム長石、葉長石ともいう。
最近は、土鍋土に40%程度混入されている。
べりりうむ ベリリウム
酸化ベリリウムの項。
べんがら 紅柄
紅殻、弁柄とも書く。流化鉄を焼いて作ったもので、酸化第二鉄(Fe2O3)を90~95%含んでいて酸化第二鉄の代名詞。インドのベンガル地方より渡来したので「ベンガラ」と名づけたという説がある。着色金属として、青磁、飴釉、鉄釉、天目釉、柿釉に使用する。また、上絵の赤色に使用する。
べんとないと ベントナイト
モンモリロナイトを主成分とする白土。酸性白土に似て凝灰岩(ぎょうかいがん)などが風化して生成したもの。水に浸すとふくれ、水を吸収し糊状になる。
可塑性のない土に混ぜて使用したり、釉薬の沈澱防止材としても使用する。
釉薬に使用する場合は、多孔性素地に釉薬をかけた場合、ぶくを発生することがあるが、ベントナイトはそれを防止する働きがある。また釉の厚さを均一にし、貫入に対する抵抗力が増加する。さらに色釉の場合、均一な色になり、光沢もあがる。
ほうさん 硼酸(H3BO3)
水溶性の柔らかい偏平の結晶。釉式における位置が、Al32O33であったり、SiO32であったりする。低温で熔融するため、無鉛フリットの主原料として使用する。鉛以外で低温度で焼成するには、一番安定のいい原料であるが、すべての色が出せるわけではないので、注意が必要である。また、貫入が発生しやすい。
ほうしゃ 硼砂(Na2B4O7 10H2O)
硼酸ナトリウムのこと。低火度アルカリ釉及び鉛釉の塩基として使用する。通常の高火度釉の熔融温度を下げるはたらきもある。使用はフリットにして使用する。
ぼーめひじゅうけい ボーメ比重計
釉薬の比重を測定する器具。
まぐねさいと マグネサイト(MgO)
酸化マグネシウムの入った天然の鉱物、苦土ともいう。アルカリ塩基で天然の土灰に3~10%ほど入っている。釉薬に粘りを出す媒熔剤として使用する。この粘りで天目釉はマグネシアの量が多いほど漆黒になる。また、油滴天目を作る場合、酸化第二鉄をあまりはげせく融かさないので、油滴が生まれやすい。酸化マグネシウムの項も参照。
まぐねしあ マグネシア
酸化マグネシウムのこと。
まぐねしうむ マグネシウム
酸化マグネシウム及びマグネサイトの項。
ましこあかこ 益子赤粉
芦沼土ともいう。6%程度の鉄分を含む凝灰岩の一種で凝灰質砂岩という含鉄土石である。このまま釉薬として使用でき、益子では鉄釉の原料として使用している。その他、黒天目釉、油滴天目、柿釉などの釉原料としても有名である。
まつばい 松灰
赤松の灰で、鉄分と酸化マンガンの含有量が多く、ビードロ釉を作るのにはかかせないものである。釉の補足に使用することもある。
まんがん マンガン(Mn)
着色金属で、低火度釉で5%程度釉に混ぜると紫色に発色する。三彩釉及び九谷焼の紫色がそうである。アルカリ釉に最もよく発色する。鉛釉だと褐色がかかり、還元焼成だと桃色になる。また、染付釉に炭酸マンガン3%、酸化チタン1%を加えると還元焼成で黄磁釉となる。天目釉に着色補助剤として酸化マンガンを少量加えると深みのある天目釉となる。油滴天目を銀油滴にする場合は着色補助材として炭酸マンガンを3%程度釉に入れる。瑠璃釉に酸化マンガンを少量加えると深みのある瑠璃釉となる。その他、石灰石の多い釉薬に酸化マンガンを20~50%加えると濃紺の釉面にピンクの朝顔状の結晶が出る。酸化マンガンの項も参照。
みずがらす 水ガラス
珪酸ソーダのこと。
みずうちねんど 水打粘土
鉄分を含んだ水が地下からわき出てきたものをかき集めて沈澱させた、茶褐色の粘土。黄土より鉄の含有量の多い(20%程度)のが特徴。素地土として使用したり、絵具として使用する。釉薬としては、飴釉、柿釉等に使用する。
みつだそう 蜜陀僧
一酸化鉛のこと。色相の濃度により、金密陀・銀密陀などの称がある。黄色の酸化鉛鉛から銀を分解する時の副産物として得られる。比重が重いため(9.36)通常はフリットにして使用する。
もくはい 木灰
合成土灰に対しての天然土灰という取り扱いである。木の種別を特定しない場合に一般的に木灰と称している。これに対して、特定の木の灰は木の種類の名前が付いている。例えば、椿灰、栗皮灰、柞灰等である。
石灰分が多く鉄分も含んでいるので、酸化焼成で黄色味をおびた色になり、還元焼成で青みがかった色になる。灰汁(あく)抜きして余分なアルカリ塩類を抜き出してから使用する。アルカリ塩類が抜けでないと釉薬に「ちじれ」、とか色合いの変化がおこる。しかし、高取焼など灰汁抜きしないで単独で土灰を掛ける場合もある。また、卯の斑釉の場合も、灰汁抜きしないで用いると釉の表面にオパールが出やすいといわれる。
もんもりろないと モンモリロナイト
モンモリロン石に同じ。粘土鉱物のひとつで主としてアルミニウムの含水珪酸塩から成り凝灰岩などの風化によって生じ、酸性白土・ベントナイトの主成分をなす。白または灰色の微細粉末塊。水に浸すと、水を吸収し膨張する。体積の20倍程度の吸収性がある。鹿沼土はモリロナイトの代表的な土である。
らてっくす ラテックス
天然ゴムの原料でゴム樹の樹皮からとれる乳状の液汁。陶画のりともいう。撥水剤、パラフィンと同様な用途で使われ、釉薬をかけない部分に筆や刷毛で素焼きの素地に塗り、その後釉掛けする。2重がけする際には、撥水材、パラフィンと違い、剥がせば釉掛けすることが出来るので、便利である。焼成前には剥がさなければいけない。ラテックスは空気にふれ酸化すると硬くなる性質がある。
らてらいと ラテライト
アルカリ性の水が粘土内の珪酸分を溶かし、アルミナと鉄分が残った鮮やかな紅赤色をした粘土。亜熱帯地方に産出する。日本では沖縄の赤土がラテライト。
りちうむ リチウム(Li)
強力なアルカリ融剤で、簡単にアルカリ釉を作ることが出来る。性質はナトリウムやカリウムに類似しているが、原始量が少ないので、炭酸ソーダの3分の1の量の添加ですむ。また、炭酸リチウムは水にわずかしか溶けないので、生あわせ(フリットにしない)が可能である。その他、釉の光沢がよくなり、貫入が出にくくなる。リチウムアルカリ釉に銅化合物を加えると、酸化焼成でトルコ青釉になる。更に酸化錫6%を加えると霜降り模様の釉ができる。また、酸化錫1%と酸化銅0.5%を加えると還元焼成で赤色釉になる。このような釉に金属シリコン粉末を0.5~1%加えると酸化焼成でも赤い釉調が得られる。リチウムを多量に含む釉薬ではコバルト青は容易に紫色に変わる。
りちうむちょうせき リチウム長石
ペタライトのこと。
りゅうさんどう 硫酸銅
水溶性の銅化合物。詳しくは胆礬の項。
りょうくどせき 菱苦土石
マグネサイトのこと。
りんさんかるしうむ 燐酸カルシウム(Ca3(PO4)2)
乳濁剤として使用するが、使用量が限られる。通常の乳濁釉として使用する場合は1割程度までである。通常、灰釉を用いるといくらか乳濁するのは灰の中の燐が影響しているためである。主に、骨灰と燐石灰を用いる。
るちーる ルチール
天然のチタン鉱物で、鉄を1~25%含んだ枯葉色をした粉末。象牙色及び黄褐色の素地に対する乳濁剤として広く利用される。また陶歯の黄色がかった色調を出すのにも使用される。結晶釉の核に使用することもある。ルチールと酸化コバルトを一緒に使用すると、黄色と青色の光学的な混合により、緑色を呈する。
ろうせき 蝋石
蝋のような感触があるあまり柔らかい岩石で、白色で可塑性がまったくない。流紋岩、石英斑岩が熱水作用で変質してできたもので、焼成すると膨張するので素地に配合すると、収縮が少なく、焼上がりを白くすることが出来る。白さと収縮の少なさを利用して、カオリンと混合し白化粧土にも使用される。また、カオリンと同様の働きをするために、カオリンを大量に入れなければいけない釉薬の時に、カオリンを蝋石に置き換えて使用する。主成分はパイロフェライト(Al2O3 4SiO2 H2O)。しかし、主成分が陶石に近いものも蝋石の名前を使っている場合があるので注意が必要である。
わらばい 藁灰
藁を燃やしてできた真黒な炭粉のような灰。珪酸性が強く(75%程度)釉薬の流下や貫入を防止する働きがある。量が多いと乳濁釉になる。白萩釉、斑唐津釉などに使用する。また、柿釉の上から藁灰を掛けると、その部分だけ黒釉となる。その他黒釉に藁灰を二重掛けした天目釉もある。藁灰が反応性が非常にいいのは、藁灰の中のシリカが非結晶(無定形)の形で存在しているため。