あえんか 亜鉛華(ZnO)
 酸化亜鉛のこと。石灰石とよく似た性質を持ち、焼成温度を下げる効果がある。10%以内の使用だと釉を熔けやすくして、SK6a程度の中火度釉に利用できる。また、貫入防止の効果もある。20%以上使用すると、アルミナ、珪酸分の少ない釉成分となり失透釉になる。
 アルミナと珪酸の差が大きいと失透釉になり、小さいと結晶質の乳濁釉となる。この場合、焼成温度を一度1300℃あたりまで高くし、その後1000℃あたりで3時間程度徐冷すると朝顔状の結晶釉となる。  織部釉に混ぜると黄色味をおびた色合いになる。

あからく 赤楽
 瀬戸でいう赤楽と、通常の赤楽とでは意味が全く異なる。瀬戸地方でいう赤楽とは、鳴海織部釉を作る時に化粧する化粧土を指し、1200℃以上の高温で焼成しても薄褐色を保つ黄土の一種類。 通常、特に京都でいう赤楽とは、楽焼の赤を発色させるための黄土または赤楽そのものをいう。こちらは800℃以上で焼成すると、黄土の中の鉄分が濃褐色から黒色になるので、焼成には注意が必要である。

あぷらいと アプライト
 珪長石ともいう。ペグマタイトに対し、長石と石英が緻密に混じって結晶になったもので、アルカリ分のやや少ない、珪酸質の長石。釜戸長石、南郷長石、三雲長石などがこの部類に入る。単味では、熔けにくいが、木灰、石灰石との組み合わせではよく熔ける。

あるみな アルミナ(Al
 酸化アルミニウムのこと。珪酸(SiO)、アルカリ塩基と共に釉薬の基本をなす材料。通常は中性塩として使用する。釉におけるアルミナの効用は、釉を硬くし、科学的作用に対する抵抗力を増す。アルミナのない釉は、結晶生成に特に適する。また、アルミナの量で、ほとんど全ての着色釉の色調を変化させる。珪酸との比率が高くなると、アルミナ質マット釉となる。このマット釉は、はば広い温度に対応するが、釉肌が粗くなる欠点を持つ。  また、耐火温度が非常に高いために、コーチング材として単独、あるいは蛙目粘土、カオリン等と混ぜて水で溶き、棚板に塗って棚板の保護のために使用する。

あんだーすりっぷ アンダースリップ
 化粧土のこと。

あんちもん アンチモン
 酸化アンチモンの項。

いしこ 石粉
 広見石のこと。美濃地方では、長石のことをいう場合がある。

いすはい 柞灰
 柞の木の灰で、土灰と同様に石灰分を多く含んだ、灰で鉄分の含有量が少なく、白色に近い色合いになる。長石との相性は土灰の方がよく、柞灰は陶石と混ぜ合わせて使用する。呉須の発色がよく上絵付の絵の具がよくなじむので高級な染付釉として使用する。

いっさんかなまり 一酸化鉛
 蜜陀僧のこと。

いらいと イライト
 水酸化鉄と動植物が埋もれて分解してできた有機物を含んでいる紅赤色をした粘土鉱物。日本では常滑の朱泥がイライトになる。

えんかこばると 塩化コバルト(Cocl+6HO)
 赤色結晶の水溶性化合物。30~35℃で水に溶け、下絵の具として使用すると青色に変色する。水溶性なので、素地に染み込んでぼかした感じで仕上がる。濃度を調整したい場合には重ね書きをする。色合は淡い空色から紺青まで変化する。

えんかまぐねしうむ 塩化マグネシウム
 にがりのこと。

えんき 塩基
 珪酸、アルミナと共に釉の基本をなす材料。媒熔剤ともいう。アルカリ類とアルカリ土類に分類され、アルカリ類は、ソーダ、カリ、リチウムの化合物である。アルカリ土類は、石灰化合物、マグネシウム化合物、ストロチウム化合物、亜鉛化合物、バリウム化合物、フッ素化合物、鉛化合物等がある。

えんきせいたんさんえん 塩基性炭酸鉛
 唐の土のこと。

えんごーべ エンゴーベ
 化粧土のこと。

えんたん 鉛丹(Pb
 赤色酸化鉛。蜜陀僧を300℃くらいで加熱して得られる。酸素量が大きいので熔融するときに還元を受けにくいが、比重が大きい(8.9)のと水溶性のために、通常はフリットで使用する。

えんぱく 鉛白
 唐の土のこと。

おうど 黄土
 粘土の中に鉄の化合物が沈澱してできたもので、鉄分を6%~10%ほど含むアルミナ系の土。黄色い色をしていることから名前が付いた。赤楽の化粧土として使用したり、伊羅保釉、鉄釉等に使用する。通常黄色をしているが、地表付近のものは酸化して褐色になる。
 京都の伏見黄土が上質で良いが、今ではほとんど取れないために、中国黄土が多く使われるようになった。しかし、中国黄土の方が鉄分が多いので、注意が必要である。
 瀬戸の黄土には板状の「かちかち」と分解がすすんだ粘土状の「あかみそ」があり、「かちかち」は瀬戸黒釉の釉薬原料として、また「あかみそ」は柿釉の原料として使用された。

おにいた 鬼板
 愛知県の瀬戸地方に産出する褐鉄鉱の一種で40%程度の鉄分及び7%程度のマンガンを含む自然の含鉄土石。鬼瓦に似た板状の状態で産出するために鬼板と呼ばれるようになった。
 よく摺って志野釉の下絵とか普通の鉄絵に使用したりする。鉄絵にするには鉄分を補充するために、紅柄と併用する。釉薬として使用する場合は仮焼してから使用し、瀬戸黒釉の原料に使用したり天目釉に使用する。

おるとんすい オルトン錐
 アメリカのオルトン標準高温錐のこと。ドイツのゼーゲルの特許で作られたもので、ゼーゲル錐とほぼ同じ働きがある。ただし、低火度の数値がゼーゲル錐とは違っているので注意が必要である。