さば 砂婆
 瀬戸、美濃周辺に産出される花崗岩が風化もので、風化長石に石英が混ざっている。磁器や半磁器の原土の原料として使用する。釉薬には通常使用しない。

さんかあえん 酸化亜鉛(ZnO)
 天然には、紅亜鉛鉱として産出。亜鉛の燃焼で生ずる軽い白色粉末。亜鉛華または亜鉛白と称し、白色顔料として重要。また化粧品・医薬などとする。亜鉛華のこと。

さんかあんちもん 酸化アンチモン
 着色金属で低火度鉛釉(楽釉)に少量入れると、黄色になる。

さんかくろむ 酸化クロム(Cr
 着色金属で、少量(2~5%)で鮮やかな発色効果があるが、釉色の変化が大きい。低火度鉛釉では鉛の量により黄緑~黄赤色に変化し、無鉛釉の場合青色になる。高火度石灰釉で緑色の発色となり、これに酸化コバルトを微量加えると緑色が鮮やかになる。バリウムが加わると幾分明るさに欠け、マグネシアが加わると幾分褐色が入り、亜鉛が加わると、褐色になる。また、クロムピンクにもなる。シリカの少ない鉛釉に5%加え、酸化焼成すると結晶が分離した赤色の釉になる。酸化クロムは媒熔剤ではなく、アルミナと同じ挙動をするので、通常の釉に足していくと釉は熔けにくくなる。釉の熔融温度を変えないようにするには、それだけアルミナを少なくしなければならない。

さんかすず 酸化錫(SnO
 5%程度釉に混ぜると釉の中に非結晶で溶け込み、乳濁釉となる。鉛釉の場合ジルコンで失透させることが難しいので錫を使用する。硼酸を含むフリットに酸化錫を入れた時に最高の乳濁効果を示す。過剰に入れると光沢のないマット釉になる。また、辰砂釉に着色補助材として銅の2~4倍を釉に加えると、冷却時に銅のコロイド状態を保護する役目がある。なお、酸化錫を加えた釉は素地との付着がよく、貫入防止に役立つ。

さんかせりうむ 酸化セリウム(CeO
 ほうろう釉には乳濁剤としてよく使用するが、釉には一般的ではない。乳濁作用は錫の約2倍になる。

さんかてつ 酸化鉄(FeO
 酸化第一鉄ともいう。釉薬で最も多く使用される着色金属代表。空気を絶って蓚酸第一鉄を焼けば生ずる黒色粉末。最初から第一鉄の状態でいるために、釉の安定性がよくなる。黄瀬戸釉等に使用する。

さんかだいにてつ 酸化第二鉄(Fe
 天然産は赤鉄鉱。鉄冶金の原料。硝酸塩・水酸化物などを空気中で焼いて製する。この赤色粉末を紅柄といい、通常はこの紅柄を使用する。焼成中に酸化第一鉄に変化する。青磁釉から天目釉まで幅広い着色剤として使用させる。アルカリ釉に加えると、葡萄酒の赤の色調になる。マット白釉に加えると明るい褐色から灰色、暗褐色までの色調になる。無鉛硼酸釉に加えると、美しい黒色になる。酸化チタンとともに用いると黄色のマット釉になる。アンチモン黄釉に加えると、赤みを帯びた色になる。バリウムを添加すると結晶生成を促進し、アルミナの添加は結晶作用を阻害する。またナトリウムの添加は結晶化に好都合で、塩基成分として1.0NaOが最もよい。

さんかたんぐすてん 酸化タングステン(WO
 良好な結晶生成剤であり、特に亜鉛の多い釉に対して効果的な作用をする。自然光及び人工光線で照らしてみると結晶は虹彩を呈する。バナジン化合物と共存するとより顕著に現れる。

さんかちたん 酸化チタン(TiO
 高火度釉に8~15%入れると、白色乳濁釉になり、釉に鉄分を含んでいると酸化焼成では青みを帯び、還元焼成では黄色味を帯びる。鉛釉だと鉄分を含まなくても黄色になる。着色釉に加えると色合が変化する。珪酸分の少ない石灰釉に10%程度混ぜる白色のマット釉にきらきらと結晶が入る。また、黒浜と組み合わせて、砂金石に似た砂金石釉(アベンチュリン釉)となる。酸化チタンのかわりに天然のルチールを用いる事もあるが、組成が変わるために発色がまちまちになるので、現在では純粋な酸化チタンを用いている。

さんかどう 酸化銅(CuO)
 鉄とともに着色金属の代表。3~8%釉に混ぜて酸化焼成すると緑色系の色になる。この場合、アルカリ分が多いと青釉(トルコ青釉)石灰や珪酸が多いと緑色(織部釉)釉となる。還元焼成すると、コロイド状に成長し、赤色(辰砂釉)に発色する。

さんかばなじん 酸化バナジン(V
 鉛の多い高火度釉において、釉面に薄い皮膜のラスターを発生させる。また、タングステン及びモリブデンとバナジンが釉に共存すると、釉内面に極めて美しい結晶が生成される。これは七色の光彩を示す。

さんかびすます 酸化ビスマス(Bi
 ビスマス化合物はほとんど全てのラスター釉の主原料である。このラスター色は非常に薄い被膜で、施釉して焼成した素地の上に低温でかける。金液に加えて熔剤として使用する。

さんかべりりうむ 酸化ベリリウム(BeO)
 ベリリウム化合物は、一般に無色であるが、還元焼成では強い紫に近い青色を呈する。どんな場合でも釉をマット状にする。結晶釉の結晶化を促進し、また、結晶の生長を促進する。

さんかまぐねしうむ 酸化マグネシウム(MgO)
 金属元素のひとつで、やや粘硬な銀白色の軽金属。海水中にはナトリウムに次いで多量に存在する。非常に溶けにくいため、焼成温度を上げるが、釉薬に粘りを増し、熱膨張率が少ないため貫入を防ぐ。配合量が少ないと透明釉になるが、多いとマット釉、乳濁釉になりやすい。
 鉄のために赤色を呈する素地にはできるだけMgOのない釉を持ちいらなければならない。もし透明釉を問題にする場合、黄色味を帯びた褐色の色合になる。鉄赤釉に入れても赤い色は破壊される。天然の土灰にはMgOが入っているので注意が必要。コバルト化合物で発色させる青色の色調はMgOの多い釉では紫色になる。エジプト青釉はアルカリマット釉では極めて困難であるが、MgOを入れると色調を変えずに作る事が出来る。  その他マグネサイト及びタルクの項にもよる。

さんかまんがん 酸化マンガン(MnO
 褐色、紫色、黒色の素地及び釉を作るのに用いられる。鉛の多い釉では約4%で褐色になり、アルカリ釉では綺麗な紫色になる。アルカリが強くなるほど紅色を帯びて来る。マット釉では、色々な発色を示し、明黄灰色~暗褐色までの色調を呈す。釉にマンガンを過飽和状態で入れると、金属の析出が見られ、最後には完全に金属様光沢の表面になる。バナジンを入れると顕著に現れる。マンガン、コバルト、酸化鉄で安易な黒釉ができる。

しーえむしー CMC
 カルボキシルメチルセルロースの略で、セロゲンとも言う。科学粘着剤のこと。布海苔(ふのり)などの代用として刷毛塗りの釉薬に使用したり、釉を厚がけしたい時に剥がれにくくするために使用する。通常は粉末なので、水かぬるま湯に2%入れて薄い糊状にして使用する。

じゅうくろむさんかり 重クロム酸カリ
 着色金属で低火度鉛釉(楽釉)に10%程度入れると、暗緑色に発色する。高火度灰釉でも明るい緑(若竹色)になる。高火度では緑色になる。

じゅうど 重土
 炭酸バリウムのこと。

しゃもっと シャモット
 粘土の素焼の粉や煉瓦匣鉢の破損物などを粉砕したもので、焼粉ともいう。除粘作用、多孔性の増加、及び急温急冷を要する楽焼用の粘土に30%程度混ぜて強度を出すために使用する。一般に陶磁器の素焼粉を素地粉(セルベン)、煉瓦の粉をシャモットという。市販のシャモットは、珪砂を取った後のムライト系粘土と珪砂からなり、シャモット煉瓦を生成する原料である。

しょうえんじ 正円子
 高温度で紅色を出す唯一の顔料であるが、金を王水で融かして作るので非常に高価である。

しらえつち 白絵土
 滋賀県黄瀬で採れる、カオリン質の白いねっとりとした白土。白化粧に単味またはカオリン、陶石類と混ぜて使用する。柔らかい風合いの白化粧となり剥げにくい。

しらたま 白玉
 フリット釉の一種、楽焼または上絵付の原料として唐の土、日の岡(珪石)と共に使用する。有鉛白玉と無鉛白玉があり、有鉛白玉は、炭酸鉛、硼砂、珪石を主成分とする。るつぼの中で融かした原料を水に入れて急冷した状態が白玉のようなので、白玉と呼んでいる。

しりか シリカ(SiO
 珪酸のこと。

じるこん ジルコン
 ジルコニウムの珪酸塩鉱物。正方晶系、錐面を備えた正方柱。風信子鉱ともいう。
 珪石によく似た性質を持ち、珪石よりもガラス化しにくいために、錫に変わる強失透釉として乳白釉、白釉、乳濁釉として用いられる。酸化錫より安価で使用する量が少なくてすむ。また、貫入に対する抵抗性が増し、釉面の硬度は増加する。乳白剤としての使用量は4%以上が望ましい。
 織部釉に微量加えると、銅の結晶を押さえて美しい織部釉となる。逆に多く入れると濁ってくる。

すず 錫
 酸化錫の項。

すりっぷ スリップ
 泥漿、または化粧土のこと。

せいちょうせき 正長石
 カリ長石のこと。

ぜおらいと ゼオライト
 イオン交換性を有する合成珪酸塩の総称。粘土の可塑性を少なくする場合に使用することがある。

せきえい 石英
 珪石のこと。

ぜーげるこーん ゼーゲルコーン
 ゼーゲル錐のこと。

ぜーげるすい ゼーゲル錐
 ドイツ人、H.A.Segerが発明した熱量測定用品。「Seger Kegel」の略で通称SK(えすけい)と呼ばれる。三角錐の形状をしており、アルミナ塩基、珪酸等から作られている。このゼーゲル錐を窯中に約90℃の勾配をもうけ設置し、倒れた時点が温度の目安となる。
 ゼーゲル錐の温度表示は、窯内で1時間に約100℃づつ温度上昇させた場合の温度となっているので、温度上昇の仕方により実際の温度と食い違う場合が出てくるが、素地土、釉薬は熱量により熔解するので、通常のパイロメーターよりも正確な温度管理が出来る。
 日本では、日本ゼーゲルコーン協会(工のマーク)、京都市工業試験場(*のマーク)、三重県窯業試験場(三のマーク)の3種類があるが、製造社によって多少熔化する温度が違うので、注意が必要である。

せっかいせき 石灰石(CaCO
 堆積岩の一種で、炭酸カルシウムから成る動物の殻や骨格などが水底に積って生じたもの。主に方解石から成り、混在する鉱物の種類によって各種の色を呈する。陶芸では、主に鼠石灰と白石灰を使用する。セメント製造の原料でもある。
 日本での使用は比較的新しく、明治初期にドイツのワグネル博士の指導により安定した媒熔材であり、光沢が出やすく、貫入を防ぎ、釉に粘性が出るために流れにくくなるため奨励され、主に工業生産ではほとんどが石灰石になった。  単独では非常に溶けにくい(融点は2572℃)が長石や陶石に混ぜると御互いに熔け合う性質を持っているので高火度釉の媒熔材として使用する。純粋のものは酸化カルシウム(CaO)が56%、一酸化炭素(CO)44%から成っている。ただし、使うのは消石灰でなければいけない。生石灰で釉薬に使用すると、水分と反応して熱を持つ。
 通常長石5に対し石灰石1を基礎釉としてSK8程度で熔ける通常の石灰釉になる。釉に石灰分が多いと透明だが釉が流れやすくなり、逆の場合は熔けにくくなる。
 ピンク釉及びピンク顔料に対しては大きな役割を持っており、CaOの量が多くなるほど色は火紅色になる。素地に含まれるCaoの量自体も赤色の発色に影響を与える。クロム緑釉では逆に不適当であり、色調は黄味を帯びる。また、結晶釉に対しては結晶成長を阻害する。青磁釉には不可欠で、入らないと青くならない。また、銅化合物による緑色釉には有効であり、トルコ青釉にCaOが入らないとエジプト青が消えてしまう。

せりうむ セリウム
 酸化セリウムの項。

せりさいと セリサイト(K Al 6SiO 2HO)
 雲母の一種で絹雲母のことをいう。純白で非常にきめが細かく、水に濡らすと絹糸のような光沢を出す。おしろいの原料となる。可塑性があり、成分的にはカリ長石と同じで、長石のように磁器土を焼結する。有田磁器の主成分である。

せるべん セルベン
 素地粉ともいう。素地土を素焼して粉にしたもの。素地土に混ぜると組成を変えずに貫入防止の効果がある。シャモットと成分的に似ていて、シャモットと同意義語としても使用している。詳細はシャモットによる。

せろげん セロゲン
 CMCの項による。

そーだちょうせき ソーダ長石(NaO Al 6SiO
 ソーダ分の多い長石で曹長石ともいう。1100℃くらいで熔けて、透明なガラス状になる。カナダの霞石閃長石がソーダ長石の代表。日本では、釜戸長石がカリ分よりソーダ分をいくぶん多く含んでいる。

そーだはい ソーダ灰
 炭酸ソーダのこと。

そうちょうせき 曹長石
 ソーダ長石のこと。ソーダの和語「曹達」から由来している。