制作技法について

やきものの制作技法については、大きく分けて手造り、機械造りに分類される。機械造りにも、全く人間の手を必要としないものからほとんど人間の手作業と同じくらいのものまで入るが、基本的には同形のものを大量に作るものがこれにあたり、機械ロクロ、鋳込(流し込み)等もこれに含めることが出来る。
 機械ロクロとは、石膏の雌形の中に粘土を入れて、ロクロを回しながらコテで押さえて雌形の中の粘土を伸ばしていって形を作るものである。見た目には通常のロクロで作る製品と変わらないが、通常のロクロで作ったものの場合は高台脇しか削らないのに対し、機械ロクロの場合は器の外側を全て削っている点である。これは、石膏形とコテとの間で粘土が伸びる際に、石膏の面についたシワを取るために削りの作業が出てくるためである。従って、機械ロクロで作ったものと手ロクロで作ったものを見分ける際には外側に削り後があるかどうかを見れば分かるのである。
 鋳込とは、粘土をどろどろにした泥漿を石膏の形の中に流し込み、石膏が水分を吸収して粘土がある程度の厚みになった時に余分な泥漿を流し出して形を作るもので、極端に薄いものも出来るし、複雑な形状のものも出来るのである。最近は、型の中に泥漿をポンプで強制的に送り込んで作る圧力鋳込方法もある。
手造りには大きく分けて手捻り、ロクロ造りに分かれる。
 このうち、ロクロ造りについては多くの解説書で説明されているのに対し、手捻りについては多くの陶芸書で簡単に説明されているだけで、中には他の本をそのまま写したり、間違った説明がなされているものが多く見受けられる。これは、本を書く人はロクロ造りでしか作品を作ったことがないことも原因ではないかと想像される。
 前振りが長くなったが、ここでは手捻りについて解説したいと思う。手捻りには、 楽茶碗のように作ることよりも削りに主体を置く特殊な造り方もあるが、通常は紐造りと玉造り、タタラ造りに分類される。
1.紐造りについて
2.タタラ造りについて
3.玉造りについて