置物作り講座(新聞紙を芯にして五月人形を作ろう)
陶器の五月人形を作ります。一口に五月人形といっても、兜、鯉のぼり、桃太郎、金太郎、童人形等、あらゆる種類があって、おひな様のようにこれという定番がありません。ここが五月人形の難しいところです・・・。
ここでは、一応定番ということと、割と単純な形ということで金太郎を作ることにいたします。しかも、初心者用ということで、形も出来るだけ単純にしました。また、中を空洞にするのが面倒なので、新聞紙を芯にして、周りに粘土を巻くだけの簡単な方法で作ることにします。
なお、リアルな人形にする場合、裸体の人形はかなり作るのが難しくなりますので、ここでは割とデフォルメした単純な形のものを作ります。ただし、作り方はほとんど同じですので、リアルな人形が好きな方は好みの形に作ってください。
作り方は、多分初心者に一番簡単な方法として、新聞紙を丸めて芯にする方法で作ります。芯に粘土を巻き付ける方法は、厚さが厚くなる点、厚さが不均一になる点等の欠点がありますが、簡単にできる点、中に芯があるので押さえても大丈夫な点等を考慮すると、置物には適した方法と言えます。
1.新聞紙で芯を作ります。
ここでは、くり抜く手間を省略するために、新聞紙で芯を作って、それに粘土を巻き付ける方法をとります。新聞紙は、素焼きの時点で灰になりますので、素焼き後に灰を綺麗に取り除いてから絵付け、釉掛け、本焼を行ってください。
最初に、新聞紙を一度シワクチャにして、その後丸めます。芯は、出来上がりの大きさに対して、半分程度の大きさにしてください。粘土の肉厚を薄くする場合はその分大きめに作ります。なお、ここで新聞紙をセロハンテープ等できっちりととめてもかまいません。面倒であれば、そのまま作っても問題なく出来ます。
この写真の右側が胴体、左側が頭部になります。デフォルメした形にするので、頭と胴体の大きさはこんなものだろうと思います。この芯の大きさは出来上がりに影響しますので、よく検討してください。
2.たたらを作って、芯に巻き付けます。
次に、粘土をたたら板状にして、新聞紙で作った芯に巻き付けていきます。余った部分は切り取り、足りない部分は貼り付けます。
この時、あまり厚さが不均一にならない方が良いですが、なっても別に問題ありません。中は見えないので、厚さに関しては気をつけなくてもかまいません。ただし、出来るだけシワやへこみがないように、外側は出来るだけ綺麗に作った方が後の作業が楽になります。
3.この段階で胴体の形を大まかに作っておきます。
粘土を芯に巻き付けて、ある程度表面をならしたら、この時点で大まかな胴体と頭部の形を作っておきます。
胴体は、手と足がくっつきますので、その部分は少しへこませておくと、つながりがよくなります。
写真の左が前面から、右が後面からみたものです。前面の金太郎の腹巻きは、こんな感じになるということで、下描きしていますが、大体の目安だと考えてください。最後まで残すかどうかは形が決まってから考えた方がいいと思います。
後面にはおしりがついていますが、これは頭部を載せたときに安定をよくするためでもあります。
4.頭部も同様に大まかに作っておきます。
顔を仕上げるタイミングは最後になりますが、乾燥した場合には成形が難しくなる場合があります。したがって、土が軟らかい状態の時に、大まかな形を作っておいた方が、後の作業が楽になるでしょう。
細かい作業は、逆にある程度の乾燥が必要になりますので、ここでは、あくまでも大まかに作るだけにしておきます。鼻を少し高くして、ほっぺとあごに少し粘土を足してならしていけば、顔らしくなってきます。ここでは、この程度で充分だと思います。
もし、カブトを着せたい場合には、この段階でカブトの形も作っておきます。カブトは、後から作って載せる方法もありますが、頭部と一体で作った方が楽です。
5.足を作ります。
いよいよ、各パーツ作りになります。まず、足を作ります。足は、大根やにんじんの形にヒモ作りで作ります。
子供の足なので、足首は細く、足先を膨らませたり平らにしたりする必要はないと思います。また、太ももは割と太めにした方が金太郎らしくなります。
大きさのバランスがありますので、何度も作っては胴体に取り付けてみて、大きさを確認した方が良いと思います。やたらと大きい足になったり、小さすぎる足になると、バランスが崩れますので、胴体に取り付けてみたら、遠くから見てバランスが良いかどうかを確認してください。近くで見ても、なかなかバランスは分かりませんので・・・。
6.足を身体に合わせて曲げます亜。
足が出来たら、胴体に合わせて2つに折り曲げます。ここでは、足を赤ちゃんポーズで前に曲げておしりで座った形にしています。赤ん坊が普通に座った形です。
更に、足先を少し外側に向けると、赤ちゃんらしい形になります。この部分は、本当の形に作ろうとすると、かなり複雑で難しい形にする必要がありますが、実は後で鯉を持たせることにより、足の形はほとんど見えなくなりますので、割と適当でもよくなります。何も持たせないようなポーズにする場合は、ここでかなり手を掛けて作りましょう。
7.足を取り付けます。
足の形が出来たら、胴体に取り付けます。前にも書きましたが、足は、ほとんど鯉を取り付けることにより隠れてしまいますので、適当でかまいません。ただし、見える部分については、少し丁寧に作っておきましょう。例えば、取り付ける時に膝を少し浮かせると赤ちゃんらしく見えるようになります。足先は、軽く曲げるだけでかまいません。
この段階で、後の姿や横の姿にも注意しましょう。つながった部分は、ならして綺麗にしておきます。
この写真も、左が前面、右が後面から見たものです。
8.鯉を作ります。
上でも書きましたが、ここでは足を隠す意味もあって鯉を作っています。鯉以外でも何かを持たすポーズの方が、作る上で楽になります。持たすものは、鯉の他にカブトやショウブ、鯉のぼり等を持たす方法があります。
さて、鯉を作る訳ですが、鯉はある程度平らに作った方が持たせやすくなります。したがって、平らに伸ばした土を鯉の形に切るか、鯉の形に作った土を押しつけて平らにするように作ります。
形が出来たら、ウロコ等の模様を入れていきます。胴体に取り付けてからだと、細かい部分の模様が入らなくなるので、ここで入れておきましょう。ウロコは、ポンスや筆、細い筒等の半分を利用して入れると楽に入れることが出来ます。また、目もポンスで入れています。口はヘラで穴を開けるように入れています。
ある程度鯉の形が出来たら、一度胴体に合わせて立体的に成形しておきます。後はくっつけるのですが、鯉に模様を入れているために、柔らかいうちに取り付けると模様が消えてしまうおそれがあります。そこで、このままある程度乾燥をさせます。
9.兜の形をつくっていきます。
兜をかぶった人形を作る場合は、ここで兜の形を作ります。子供が兜をかぶる訳ですから、頭に対して少し大きめの兜にした方が愛嬌があります。
まず、兜をかぶった感じを出すために、頭部の後側の下部分に紐を足します。紐を足したら、ならして平らにしてひさしのようにします。少し下方向に飛び出した方が大きめの兜の感じになります。
次に、正面のひたいの部分にも帽子のツバの感じのひさしの部分を作ります。これもならして綺麗にしておきます。ここで、兜飾りを付けてもいいですが、面倒なのでここでは省略します。
10.顔を仕上げて、兜も仕上げます。
次に、正面から見たときに兜と顔が別々に見えるように、兜と顔の隙間を作ります。これは、ヘラを使って隙間を作ればいいと思います。
更に兜の模様を描き込みます。ここでは細かい模様は省略して単純な模様にしていますが、リアルな兜にしたい場合は、描き込んでいってください。
最後に顔を描き込めば終了です。簡単に書いてますが、作ると結構細かい作業になります。
11.鯉を胴体に取り付けます。
顔を作っている間に、ある程度鯉のパーツが乾燥していると思いますので、この段階で鯉を胴体に取り付けます。
取り付けるのは、しっかりとくっつける必要があります。手で持たせた形になりますが、手はあくまでもそえるだけで、実際には鯉が胴体にしっかりとくっつくようになっています。気をつけるのは、手と鯉のバランスです。失敗のないように、よく確認してから取り付けましょう。
12.手を作ります。
さて、鯉を胴体に取り付けたら、これに合わせた手を作ります。作り方は、足の場合とほとんど同じです。ヒモ作りのように転がして筒状に成形し、大根やにんじんの形になるように整えます。
その後、鯉を持つ形に成形しますが、これも何度も鯉を持たせてみて、おかしくない形になるように成形していきましょう。ここでは、鯉を足の上に置いて、左手で上から持ち、右手は下から鯉を支えています。両手で下から支えるように持たせる方法もありますが、両手の位置が違う方が動きが出てくるので、こちらを採用してみました。
13.手を取り付けます。
次に、ドベで手をしっかりと取り付けます。何度も持たせているので、ここではくっつけるだけです。
くっつけたら、胴体と手の隙間をならして、接合部が分からないようにしておきます。
ここで、胴体と頭の接合部分に空気抜きのための穴をあけておきます。これは、頭部の底部にも同じようにあけておきます。穴は小さいとずれた時にふさがってしまうおそれがあるので、少しくらいずれても大丈夫なくらい大きめにあけておくと良いでしょう。
14.頭部を取り付けます。
いよいよ、胴体に頭部を取り付けます。頭部を大きく作った場合には取り付ける位置と重心に気をつけましょう。頭部を後の方に取り付けると重心が後になってひっくり返りやすくなります。
取り付ける時の注意点は、頭部の位置と向きに気をつけること。もうひとつは頭部と胴体の穴が合わさっているかどうかです。穴は大きめに開けておけば特に少しくらいずれても空気が通れば問題はありません。
15.細かい部分を修正、成形して、最後に兜の部品を取り付けます。
頭部を取り付けた後で、少し目線を変えて、遠くから見たり、斜めから見たりして、細かい修正を行います。同じ方法からばかり見たり、細かい部分だけを見ていたりすると、全体のバランスが崩れている場合がありますので、ここで修正しておきます。手足の指も、この段階で入れます。
最後に、兜の各パーツを取り付けます。このパーツがあると兜らしく見えてきます。パーツは、少し乾燥させてから付けると変形しにくくなりますが、付けた後であれこれとさわると、折れたり変形したりします。
16.完成写真
完成写真です。正面から見たところ、横からと後から見たところです。作品の感じが分かるでしょうか。
違うポーズのものです。これは、腕組みをした金太郎です。

