置物作り講座(たたら作りでおひな様を作ろう)

 陶器のおひなさまを作ります。おひな様の作り方も、複雑なものから単純なものまで多々あって、色々な本やページで紹介されています。
 ここでは、あくまでも初心者の方が簡単に作れるということを目的としていますので、、たたら板を使って作る方法を紹介します。しかも、簡単に作れてなおかつ手間がかかったように見える作り方です。
1.型紙を作ります。
 たたらでおひな様を作る上で、最初にしなければいけないのは、型紙を用意することです。おひな様は、男雛、女雛の2つの組み合わせで1セットになりますので、同じ大きさのものを作る必要があります。また、今回紹介する方法は、たたらの折り方が少し複雑ですので、最初に型紙を用意した方が良いと思います。
 型紙は単純な形にも出来ますが、作りを簡単にするために、少し複雑な形にしました。大体、こんな感じに作ってください。赤線は切り込み、青線は折り目です。この型紙がうまく作れれば、半分以上は出来たも同然です。凝った作り方を目指す人や、自分なりのオリジナルのものが作りたい人は、型紙の作り方に工夫をしていけば、簡単に出来るとおもいます。
 型紙は、見ればわかりますが、ほとんど左右対象となっています。したがって、二つに折って作れば簡単です。また、作業工程からみると、上下半分に折った中心が基本線となっています。

2.たたらを型紙のとおり切ります。。
 次に、たたらにした土の上に型紙を置いて、型紙のとおりに切り取っていきます。ここでは、難しい作業は全くありません。気をつける点は、袖になる部分の切り込みを入れる時に、入れすぎるとヒビが入りやすくなるので、切りすぎないことくらいです。少し切り込みが足りないくらいが、うまく腕の感じが出ると思います。
 たたらの厚みは、大きさにもよりますがここでは5ミリの厚さで作っています。薄いと袖が貧弱になるし、厚すぎると折れにくくなるので、5ミリくらいが目安だと考えればいいと思います。また、袖のところで重ね着の感じを出したいとか、厚みが欲しい場合には、袖の部分だけに薄いたたらを足すとか、袖を別に付けるとか、色々な工夫も出来ますので、やってみてください。

3.袴(はかま)または裾の部分を作ります。
 簡単、質素に仕上げたい場合や、楽に作りたい場合は、この3と4の作業は省略しても、なんら問題なくできあがります。かえって、素朴な雛人形になりますので、細かな雛人形を作りたい人以外は省略してください。

 さて、ひな人形の袴の感じを出すために、写真のように切り取った下半身の部分の右側(写真では赤い部分)を内側に折り込みます。袴の場合は折った端の部分が丁度真ん中になるように、着物の裾の場合は少し左側になるように折るといいでしょう。多少の誤差は後で修正できますので、適当に折ってください。この時に、厚みがあると次の作業の時に折りづらくなるので、薄く伸ばしておくといいでしょう。ここでは、あまり時間をかけて乾燥してしまうと割れやすくなるので、なるべく短時間で作業するようにこころがけましょう。
 ちなみに、一般的な衣装の雛人形は女雛、男雛とも袴を着用しています。

4.袖を折り込みます。
 次に、ひっくり返して、袖になる部分を2重になるように折り込みます。この作業は無理に行う必要はありませんが、袖の中には腕があるためにそれなりの厚みが出てきます。したがって、少し手間にはなりますが折り返した方がいいと思います。その他、重ね着の雰囲気を出したい場合には、ここで薄いたたらを重ねて貼り付けておきます。
 ここでも、次に折り込む時の邪魔になりますので、折った部分はそのまま残して、重ねた部分を平らに伸ばしておいた方がいいでしょう。

5.形を作ります。
 まず、横方向に前後二つに折り曲げます。つまり、人形を立てる感じになります。すると、袖の部分が横に開いた状態になりますので、この袖を前に持ってきておひな様の感じを出します。
 この段階では、無理に曲げないように注意します。紙のようにきちんと折ると、角の部分が薄くなって乾燥時に割れの原因になりますので、なるべく丸く曲げるように心がけましょう。また、丸く曲げた方がより自然な形になります。

6.形を作ります(その2)
 ここまでの段階で、大まかにはおひな様の形になっていると思いますので、ここからは微調整になっていきます。
 まず最初に、人形の内側に指を入れて胸の部分をふくらませます。そうすると、貧弱だった形に丸みが出て、よりおひな様のように見えます。ただし、あまり胸を出し過ぎると不自然になります。
 次に、袴または着物の一番下の部分を内側に曲げます。これで、座った形に見えるようになります。
 最後に、胸の前で合わさっている手の部分を少しづつ押しこんでいくと、より座った形に見えるようになります。ただし、押しすぎると手の形が消えてしまうので、軽く押すようにしましょう。座ったように見えなくても、それはそれでかまわないと思います。  要するに、触りすぎるとだんだんと汚くなって、しかもいびつになっていきますので、ちょっとくらいおかしくても、できるだけ手はかけないようにガマンしましょう・・・。

7.襟を作ります
 この作業も、省略してかまいません。簡単に作るのであれば、全く必要ありません。

 写真のように、細いヒモを作り襟の形にくっつけます。その後、ヘラや手でならして、表面を綺麗にします。
 この作業を行うことにより、襟の部分がすっきりすると共に、姿勢がよくなり、猫背のような姿勢から背筋が伸びた感じになります。もちろん、丸い粘土をそのまま付けても良いですし、頭部を作る時に首の部分も作る方法もあります。
 とにかく、首の部分を作るということで、方法は自由です。

8.胴体の仕上げを行います。
 ここまでの作業で、ほぼ胴体は完成していますので、最終的な仕上げを行います。
 7の作業を行っていない場合は、まず肩の部分、つまり折れ曲がった部分と袖の始まりの部分、この部分を指でならして綺麗にします。作る過程で、どうしてもこの部分は肩が持ち上がったり、シワがでてしまいますので、この段階で綺麗に修正しておきます。ここでも、同じように触りすぎると手がなくなってしまうので、ほどほどにしておきましょう
 最後に、ヘラや竹串等で、袖のシワ、袖の細部、襟の細部を描き込んでいきます。これは、自分の好きなように描き込んでください。上記7の作業を行った場合は、ある程度リアルに描き込んだほうが釣り合いがとれますし、上記の作業を省略した場合は、適当に大ざっぱに描き込んでもそれなりの完成品となります。けっして大ざっぱに描き込んだので大ざっぱに見えるというものではありません。

9.その他の部分のパーツを作ります。
 胴体が出来たら、その他の各パーツを作っていきます。ここからは、自分の好きなように、自由に作った方がいいと思いますので、簡単にだけ書いておきます。
 パーツは、頭部、髪、扇、後ろ髪、冠、この程度でいいと思います。写真でいうと、左側の写真は比較的簡単に作る場合の形、右側の写真はある程度細かく作る場合の写真です。もちろん、こうしなければいけないというのではありません。それぞれ工夫して作ってください。
 パーツは、もう少し増やしてもいいですが、簡単に作る場合でも最低限、この程度のパーツは必要になります。

10.パーツをくっつけて完成です。
 パーツが出来たら、それぞれをくっつていきます。最初に頭部に髪の毛をくっつけます。そして、それを胴体に付けます。くっつけるのはドベを使ってください。
 その後、扇を付けて、冠を付ければ完成です。顔の表情(目や口)は、小さい場合は省略しても問題ないと思います。大きくても、省略してもかまいません。下手に顔を描くよりも省略した方が良く見える場合もありますので、自分の好きなように作ってください。

11.女雛と男雛の違い。
 女雛と男雛は、通常は着ている着物が違うので、作る場合も違えて作ります。ただし、決まりはありませんので、同じ着物を着せても問題ありません。
 ここでは、女雛は五衣に唐衣に袴姿風、、男雛は束帯風に作っています。そこで、男雛には束帯を余分に付ける必要があるわけです。束帯は、女雛と同じように後でヘラで描き入れることも出来ます。そちらの方が簡単だと思います。

12.完成です。

 完成写真です。最後に細かい部分を描き入れたり、ヘラ等でヒジや肩の部分のシワを作ったり、着物の柄を印花で付けていますが、これは自由です。着色の時に描き入れる方法もあります。
 上写真が、簡単に作ったもの、下写真がかなり手を加えて作ったものです。これは、自分の好みで作ればいいと思います。