削りかすの簡単な処理方法
硬くなった土の再生大量の削りかすを出す場合は、水を張ったカメや桶の中に完全に乾燥させた(日光で完全に乾燥させる)削りかすを入れて、一旦バラバラに崩壊させてから吸いカメで水分を取り、再度練り直します。この場合、完全に乾燥させなければ小さな固まりとして残るので、完全に乾燥させることがポイントです。
趣味で少しずつ作る人がこれを行うと、カメが一杯になる前に乾燥してしまったり時間も手間もかかります。そこで、少量の場合は、濡れ雑巾にくるんで、更にビニール袋に入れておきます。そうすると、4、5日で柔らかい状態に戻りますので、これを適度な硬さに練り直して使用します。早く柔らかくしたい場合や少し固めの土を柔らかくしたい場合には、出来るだけ小さく砕いてから濡れ雑巾にくるんで更にビニール袋に入れた土を何度も叩いて水を中まで浸透させると早く使えるようになります。
ビニール袋に入れておくと、カビが発生して黒く変色したりしますが、素焼すると色も臭いも取れます。また、雑巾はぼろぼろになりやすいく糸くずが粘土の中に入り込む場合もありますので、新しいものにした方が安全です。もちろん、糸くず等は素焼で焼けます。
また、削りかすと新しい土は絶対に混ぜ合わせないようにします。硬い土と柔らかい土とを混ぜ合わせると、硬い土はなかなか軟らかくなりません。
乾燥中、素焼き時に割れた作品の修復完全に乾燥したものは、金槌等で出来るだけ細かく砕いて、水を入れたカメ等の中に入れて一度崩壊させてから吸いかめ(石膏製や素焼製の鉢)や石膏ボードの上で乾燥させて、再度練り直します。
少しくらいの硬さであれば、上記の雑巾とナイロン袋の方法で柔らかくすることが出来ます。ただし、大量の土の場合は不向きです。大量の場合は、小さく切り取ってから水を加えて練り直します。
柔らかくなった土は、素焼の鉢に入れたり石膏ボードの上に置いて水分を飛ばします。素焼の鉢よりも石膏ボードの方が水分を取るのは早いですが、油断すると乾燥しすぎて逆に硬くなることもあるので、注意が必要です。
陶坂を反らさないで乾燥させる素焼をした作品は、陶芸用の接着剤(セラムボンドという商品名で売られています)を使って修正しますが、どうしても割れた部分の色が違ってしまったり、完全にくっつかないために、色釉を厚掛けしてごまかすしか方法がないと思います。特にヒビの入ったものは接着剤でも上手くくっつきません。
乾燥中に割れた作品は、ある程度水分がある状態(白くなっていない)の時は、全体に霧吹きで水を拭きかけて、更にナイロン袋等に入れて、もう一度成形出来る程度まで柔らかくして、成形し直します。ただし、一度柔らかくした場合は粘性や密度が弱くなりますので、新たな乾燥後に割れやすくなります。ほとんど水分のない状態の場合は、どうしても割れた部分の強度が弱くなるので、なかなか難しいものがあります。割れた部分にドベをつけて、一瞬で張り合わせるとくっつく場合もありますが、非常に難しい技術が必要になります。
素早く乾燥させる方法陶板を作るのは、大抵の場合たたら作りになります。たたら作りの時に、土を徹底的に締めることと、更に密度を均等にして作ることがポイントです。たたら製造機の場合などは、最初の方はよく締るのですが最後の方はほとんど締らなくなるので、この部分は使用しないようにします。自分で作る時には、徹底的に手で叩いて締めていきます。手が痛い場合には、板、石等で叩いて締めます。この叩くということがポイントです。押しただけの場合には、ほとんど締っていない状態でひとがっただけの場合が多いようです。
更に、厚さを均一にするということも大切です。ちょっとした厚さの違いが反りや割れを起します。
後は、反りにくい土を使用する方法があります。シャモットや砂分の多い土は比較的反りにくくなります。逆に、これらの土は乾燥時に割れやすくなるという欠点がありますので、入れる量には注意が必要です。シャモットを入れると、どうしても粗い土味になりますので、これが嫌な場合は同じ土のセルベン(素焼した素地土を粉末にしたもの)を使用します。
次に乾燥時の反りですが、陶板などの場合には下側がどうしても乾燥しにくく、上の方から乾燥するので反る原因になります。これを防ぐには、何度もひっくり返して均一に乾燥させるか、石膏ボードの上に置いて、上下均一に乾燥させるようにします。
素焼きでは何でもなかったのに、本焼で変形してしまうのは何故乾燥の原理は、温度により作品中の水分が徐々に蒸発していくということですので、温度を高くすれば乾燥も早くなるということです。ただし、どうしても表面から先に乾燥してしまい、反りや割れが発生します。これを防ぐには、表面を乾燥させないで温度だけを上げれば良いわけです。そこで、蒸気乾燥という方法が発明されました。これは、湿度が高くて温度も高い状態を作り、その中で一気に乾燥させる方法です。簡単に行う方法としては、風呂場で風呂の蓋を開けてどんどんとお湯を熱くして、そこに作品を置いておくという方法です。水蒸気が作品の表面に付着するために表面だけが乾燥することがなくなります。また、ナイロン袋に入れた作品を温度の高い場所に置く方法もあります。この時に、ナイロン袋の表面には水滴がくっつきますので、時々袋をひっくり返して水分を取ればいいでしょう。 それほど大きくない作品の場合などは、部屋をストーブ等でがんがんに暖めて、その中で乾燥させる方法があります。これは、一種の室(むろ)を作って、その中で乾燥させる方法です。どうしても作品が反る場合には、このように一気に乾燥させると比較的反りにくくすることが出来ます。また、割れに対しても安全に乾燥させることが出来ますし、大物がある程度乾燥した場合に完全に乾燥させるにもこの方法が効率よく乾燥できます。
白土を加工する土には、整形したらその状態を記憶していて、再度変形させても焼成した際に元の状態に戻ろうとする性質があります。これは、カップの取っ手を付ける際に少しロクロの回転と逆の方向に傾くということがありますし、皿を挽く際に、ある程度寝かせて挽いても、焼成したら少し起きあがっていたということもあります。 要するに、一度変形しているものを正規の形に戻しても、焼成すると再び変形してしまうということなのです。この傾向は、磁器土などのきめの細かい土ほど如実に現れます。したがって、変形させないためには粗い土を使用するのが簡単な方法です。作る時に、出来るだけ手を加えずに作る方が変形しにくくなります。 その他の問題として、均一な密度と均一な厚さにすることを心がけることです。焼成すると、どうしても弱い部分から変形していきますので、弱い部分を作らなければ変形しないということになります。
たたら作りを行う場合白土に鉄粉が吹き出したようなマンガン土があります。これにちかい感じをだすには、使い捨てカイロの中身をよく砕いて1%ほど混ぜます。これを還元焼成するとカイロの鉄粉が熔けて発色し、マンガン土に近い雰囲気が出せます。また、木の灰を40~80メッシュで通して混ぜても同じような雰囲気が出せます。粒の大きさによって雰囲気が違ってきます。好みの問題ですが、小さい粒よりは大きい粒の方が感じがよくなります。
白土に、砂を混ぜるとざらついた感じになります。この場合は1割程度入れます。山土を取ってきたり、園芸用の土を入れても全く違った雰囲気が作り出せます。
たたら作りで縁を持ち上げる場合たたら作りを行う場合、陶芸図書ではたたら板と切り糸を使い、何枚も作る方法が紹介されています。しかし、大量生産で何枚も同じものを作る場合にはこの方法が簡単ですが、1個作る場合には上下の土が無駄になる等非常に無駄の多い方法です。
1個のたたら製品を作る場合には、うどんやそばのを伸ばすように伸ばし棒で伸ばして作る方が簡単に出来ます。この場合、伸ばす粘土の横にたたら板を置いて伸ばすと同じ厚さの板になります。更に、布目やカヤ目を出したい場合には、上下に布を置いて伸ばすと布目を綺麗に付けることが出来ます。この時にレースのカーテン素地を使えばレース模様が出来ますし、壁紙を使えば様々な模様の作品が出来ます。最近は、立体的な壁紙が売られていますので、面白い模様が出来ます。
ドベの使い方たたら作りで皿を作った場合、縁を持ち上げた形にする場合がほとんどです。この時に、普通は「枕」といって、同じ粘土を縁の下に敷いて縁が下がらないようにします。
ところが、単に縁を持ち上げただけだと、枕がないと引力の関係上すぐに縁が下がってしまいます。この時に、単純に縁を起すだけにしないで、縁を持ち上げると同時に持ち上げた縁の長さを少しずつすぼめていって、底部の長さと同じか少し短めに作ると縁が落ちなくなります。これは、本来下と上の長さは同じになるところを単純に持ち上げるだけだと下の長さよりも上の長さが長くなってしまうために簡単に落ちてしまう訳です。持ち上げて、縁の長さを短くすることにより、下の長さと上の長さが同じになるために、縁の部分で張力が発生するために下に落ちなくなる訳です。
陶芸の本なんかで、よく粘土同士を接着する場合には、接着面に傷を入れてドベを塗り、接着すると書いてありますが、何故傷をつけるのか、何故ドベを塗るのかという説明が全くされていません。接着面には必ず傷とドベが必要だからということで、紐造りの場合やカップの取っ手にまで傷を入れてドベを塗るということが書かれている陶芸書があったりします。
さて、接着面を傷つけるというのは、接着面の表面積を大きくしてくっつきやすくするということと接着面を柔らかくして、接着面をなじませると同時に接着面の隙間が空きにくくするということが理由です。要するに、板作りで作る場合には板の変形を防ぐためにある程度板が乾燥してから接着しなければいけないために、接着面を傷つけたりドベをつけたりする訳です。
したがって、接着面が柔らかい紐造りのには接着面を傷つけても全く意味がありません。また、磁器土のように粒子の細かい土の場合にはドベをつけるとかえってその部分だけが柔らかくなって乾燥後の亀裂につながる場合もあります。磁器土や水簸粘土等の場合はドベは最低限にとどめます。少し柔らかい場合には水だけでも十分です。ただし、接着面を十分に摺り合わせて、空気の流入を防ぐとともに接着面の粘土自体がからみあうようにすると効果が大きいようです。

